Q 当社では観光業を営んでおりますが、震災後の計画停電の影響による売上減少に伴いやむを得ず従業員に休業を命じましたが、休業日に従業員より有給休暇の申請がありましたが認める必要があるのでしょうか
A 本来は労働義務のある日(就業日)を会社の都合で休業日に変更した場合、その日については労働義務がありませんので、会社の休業命令より後に請求のあった有給休暇は認める必要がありません。有給休暇はもともと労働義務があることを前提に、それを免除するものですから、労働の義務がない休日については有給休暇をとりたくてもとれないということになります。
ただし、会社が休業を命じたあとに従業員が申請してきた有給休暇を認めることは差し支えないとされています。
一方で、会社が休業を命ずる前に労働者が有給休暇を申請していたケースでは、会社は休業を理由に有給休暇の請求を拒むことはできません
このようなケースでは、従業員が受け取る賃金が問題になるのですが、従業員は、経営難からくる休業の場合でも、法律は使用者に責任を課していますので、労働者を休業させる場合は、休業手当として平均賃金の60%を保証されていますが、有給休暇として認められれば給料が100%支払われる為、仮に従業員が「どうせ休むのなら、60%が保証される休業手当よりも、給料が100%支払われる方がいい」と考えることもありますので、会社としては今後の状況も考慮し慎重に対応するべきです。